活動報告
ACPに関する研修会を開催しました
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2024年2月19日、医療法人社団悠翔会の新橋事務所にて、issue+designさんが開発中の、ACPのための対話ツール(カードゲーム)を用いた実践研修を行いました。まちづくり・防災・医療・福祉・教育など多様な社会課題に対して、デザインによる課題解決に挑戦してきたissue+designさん主催のイベントで、昨年、2回にわたり悠翔会理事長・診療部長の佐々木淳が講演しています。その際お話しした、「人生の最期まで自分らしく幸せに生きるには、自分にとって大切な価値観や人間関係を認識し、主体的に生き方を選択することが大切」とのメッセージをもとに、これらを市民が広く知り、考えるようなワークショップとして企画されたものです。
今回、悠翔会のスタッフと外部からの参加者を対象に、トライアルを実施していただきました。「もしバナゲーム」(一般社団法人iACP)等既存の複数のカードと、アンケートによって収集した500以上の価値観から作成した「価値観カード(仮)」は、「医療」や「人生の最終段階」という言葉を使わず、直感的に選びやすいように作られています。カード開発の中心となった黒川夕紀さんと澤田直子さんは、それぞれ医療と福祉の現場でも勤務しているとのこと。「ワークショップが、適切なタイミングで適切なACPを行うきっかけにもなればよいと思う」と話されました。
1回目のカードゲームでは「人生で大切にしたい自分の価値観」が、2回目では「人生の最期まで大切にしたい自分の価値観」がテーマとなります。4人一組で、手持ちのカードを自分の価値観と合うカードと取り替えていき、最後に残ったカードから自分の価値観を再認識します。2回目のワークでは、自分の命があと5~10年と想定し、人生の後半で起こりうるネガティブイベントも考えたうえで今後の人生を想像しました。
終了後には、カードに追加してほしい項目の提案や、現在の項目の表現等について意見交換を行いました。2回目のワークは、1回目のワークで最終的に手元に残った5枚のカードからスタートします。1回目と2回目で何枚かを別のカードに取り換えた参加者、1回目と2回目でカードに変化がなかった参加者など、それぞれの価値観の違いも感じることができました。トライアルを経て、どのようなかたちでカードが完成するのかが楽しみです。
このような機会をくださった筧裕介さんとissue+designのみなさん、そして参加者のみなさんに感謝申し上げます。