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在宅緩和ケアのパイオニア・山崎章郎医師のケアタウン小平クリニック承継開業のお知らせ

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在宅緩和ケアのパイオニア・山崎章郎医師のケアタウン小平クリニック承継開業のお知らせ

首都圏で最大規模の在宅医療を提供する医療法人社団悠翔会(本部:東京都港区、理事長:佐々木淳)は、2022年6月1日、東京都小平市のケアタウン小平クリニック(前院長・山崎章郎氏)を承継開業いたします。

※プレスリリース全文は、こちらをご覧ください。

 

山崎医師は、在宅緩和ケアのパイオニアです。医師として多くのがん患者たちの死に立ち合ってきた山崎医師は、1990年に『病院で死ぬということ』(主婦の友社、文藝春秋)を上梓し、「一般の病院は、人が死んでゆくのにふさわしい場所だろうか?」という問いを投げかけました。当時の一般病院における終末期医療の現状を世に問うと同時に、その現状を変えることのできる緩和ケア病棟の重要性を訴えたのです。現在のように、終末期医療における個人の尊厳についての課題が認識されていない時期で、非常に大きな反響を呼びました。

 

その後、山崎医師は、緩和ケアとは何か、そもそも人が生きる・死ぬとはどういうことか、時に哲学的な問いにも正面から向き合いながら、在宅緩和ケアの普及と質の向上に積極的に取り組んできました。2016年に新設された「在宅緩和ケア充実診療所・病院加算」の概念を提唱したのも山崎医師です。社会のニーズと医療のミスマッチを放置せず、実践することで、国の施策をも動かしてきました。

 

2005年、山崎医師はケアタウン小平での在宅緩和ケアを開始します。どんなにアットホームな雰囲気の緩和ケア病棟であったとしても、患者はやはり家が恋しい。その本音に応えるためには、病棟で患者を待つのではなく、患者のもとに多職種のチームが出向けばよいと考えた山崎医師は、医師や訪問看護師、ケアマネジャー等と共に、ケアタウン小平でのチーム活動を開始しました。この5月31日まで院長を務めていたケアタウン小平クリニックは、緩和ケア医をめざす若手医師にとっての聖地となっています。

 

医療法人社団悠翔会は2006年に東京・千代田区に最初の在宅医療専門クリニックを開設。以来、「患者の価値観を中心とした医療」を提唱し、現在は、首都圏に17拠点、沖縄県に1拠点の18クリニックを展開、102名の医師が常時6600人の患者さんに24時間体制の在宅総合診療を提供しています。精神科や皮膚科などほぼ全診療科を網羅。認知症ケア、緩和ケア、リハビリ、歯科・口腔ケア、栄養ケアを含む包括的な支援体制を構築し、これまでに3万人を超える患者さんの人生に伴走してきました。昨年は約1700人の患者さんの人生の最期に臨席、うち約1200名の方をご自宅でお看取りしています。

 

今回、ケアタウン小平クリニックを、私たち悠翔会が承継させていただくことになりました。多くの在宅医の憧れである山崎医師から、自分たちと同様の理念で熱意をもって在宅医療・在宅緩和ケアに取り組んでいるとご評価いただき、ご指名くださったことを本当にうれしく光栄に思います。
個人で運営しておられたクリニックを、その診療力を高めながら、山崎医師だけに依存しない形で持続可能な体制をつくること。それが私たちに与えられたミッションです。

 

日本の地域医療の課題の一つは、「一人開業医」が多いこと、そして開業医の高齢化です。
日本の在宅医療は、個々の開業医の責任感と自己犠牲で辛うじて成り立っているのが実情です。しかし、在宅医療に求められる24時間対応は、特に高齢医師にはハードルが高く、また医師一人では持続可能性の担保が困難です。
悠翔会は、地域医療を担う開業医の診療やクリニック運営をバックアップすることで、それぞれの地域の在宅医療提供体制の安定化をサポートします。また、長年、地域医療の拠点となってきた診療所の運営を支援・承継し、高齢化に伴う地域ニーズの変化に応えてまいります。

 

山崎医師とケアタウン小平チームが実践されてきた在宅緩和ケアを、組織として持続可能な形で、地域のニーズに応えながらさらに成長させていく。
偉大な診療チームの活動を引き継ぐ私たちの責任はとても大きいですが、ケアタウン小平が17年間培ってきた文化を大切にしつつ、小平の地域により大きな価値が提供できるよう、全力で取り組んでいきたいと思います。

 

【クリニックの概要】
■東京都小平市/ケアタウン小平クリニック
長年在宅医療に取り組んできた安池純士医師を、新たに院長に迎えます。6月1日より、名誉院長の山崎医師、山崎医師と共に以前から同クリニックで診療を行ってきた石巻静代医師の3名体制で診療を継続いたします。

 

■安池純士院長
〈プロフィール〉
・出身大学:筑波大学医学専門学群
・専門(学会等):日本プライマリ・ケア連合学会認定医・指導医、日本在宅医療連合学会在宅医療専門医・指導医、日本緩和医療学会緩和医療認定医・教育指導者、日本救急医学会救急科専門医、日本外科学会認定医、日本医師会認定産業医、認知症サポート医、厚生労働省臨床研修指導医、東京医科歯科大学医学部臨床教授、日本在宅医療連合学会評議員/日本内科学会、日本老年病学会
・主な経歴:東京医科歯科大学医学部附属病院、静岡県立総合病院、焼津市立総合病院、洛和会音羽病院、東京都内の在宅医療を行うクリニック等

 

〈ご挨拶〉
非常勤の時も含めると、私が在宅医療に携わるようになってから約20年が経ちました。その間、在宅医療は大きく変貌しています。かつては在宅医療を受ける方のほとんどが寝たきりの患者さんでしたが、現在はある程度の活動性は維持しながらも通院が困難な方や、病院でがん治療等の高度医療を受けながらも、頻繁な通院が大変なため、訪問診療を受ける方もいます。単に訪問診療を行うのではなく、地域のかかりつけ医として、一人ひとりのさまざまなステージで、どのようにすればその人の望むように、住み慣れた場所で暮らしていけるか、共に考えながらサポートさせていただきたいと思っています。

 

住所:〒187-0012 東京都小平市御幸町131-5 1F
TEL:042-321-7575
FAX:042-313-8658
訪問エリア:小平市・小金井市の全域、国分寺市・東久留米市・西東京市の一部
診療開始:2022年6月1日
URL:http://www.yushoukai.jp/clinic/kodaira/

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